COLUMN
コラム
2025.11.01
「この壁、取っちゃって広くしたい!」
マンションのリノベーションを考えるとき、誰もが一度は思うのではないでしょうか?
でも実際にリフォーム会社に相談してみると、
「その壁は壊せませんね」と言われてしまうケースも。
なぜ壊せる壁と壊せない壁があるのか?
今回は、マンションリノベで『壁は壊せるのか?』という疑問を、プロの視点で徹底解説します!
目次 [非表示]
まず押さえておきたいのは、
マンションの壁には構造上、壊していい壁と壊してはいけない壁があるということ。
代表的な3つのタイプを見てみましょう。
建物の構造を支える壁のこと。鉄筋コンクリート(RC造)マンションの場合、建物全体の強度を保つための重要な部分です。
この壁を壊すと耐震性が低下してしまうため、絶対に撤去できません。

天井近くに通っている「梁」も、建物の荷重を支える大事な部分。
見た目が邪魔でも、壊すことはできません。
ただし、デザインでうまく隠す・活かす方法もあります。
例)梁の位置に合わせて間接照明を仕込む、天井を段差天井にして意匠的にまとめるなど。
コンクリートブロックが積まれている壁は、構造体ではなく間仕切りとして設けられているだけのケースもあります。
このタイプは壊しても建物の強度に影響しないこともあり、
撤去や位置変更が可能な場合があります。

「うちは壁式構造?ラーメン構造?」と気になる方も多いはず。
構造の違いによって、リノベーションの自由度は大きく変わります。
| 構造 | 壁の位置変更 | 特徴 |
|---|---|---|
| ラーメン構造 | 比較的容易 | 柱と梁で支える。壁は間仕切りなので撤去・移動しやすい。 |
| 壁式構造 | 難しい | 壁が建物を支える。間取り変更は制限が多い。 |
ラーメン構造なら、リビングと隣の部屋の壁を撤去して「広々LDK」にすることも可能。
一方、壁式構造では構造壁を残したままで暮らしやすい間取りを設計する「提案力」が求められます。
管理規約で「専有部」「共用部」の区別を確認する
→ 壁が共用部に含まれる場合、勝手に壊すことはできません。
配管・電気・給気ダクトなどの位置も要チェック
→ 壁を撤去できても、設備が干渉するケースがあります。
築42年の団地を購入し、リノベーションしました。
構造:壁式構造
リノベ費用:1360万円
リフォーム面積:97㎡
工期:2ヶ月
築年数が経過している団地ということもあり、水廻りの配管スペースの制約上簡単にはキッチンを移設することが難しい造りでした。
キッチンのパントリーの床を上げることで対面キッチンを実現
全体的に内装や設備を一新
■お施主様コメント
物件選びの段階から、親身に相談に乗って頂いたのがとても好印象でした。
設計プランについても常にバリエーションを揃えてご提案頂いたので、比較検討することができました。
当初は4LDKを希望していましたが、最終的には参考プランとしてご提案頂いた対面キッチンと広々としたリビングがとても気に入り、3LDKのプランにすることに決めました。
思いっきり走り回れて息子も大満足です。
図面

抜くことが出来ない構造壁の位置


構造上抜くことができない壁も多くありましたが、広々とした面積のある団地でしたので、各スペースにゆとりある3LDKの間取りにすることで、子育て世代に快適な住まいへと生まれ変わりました。
✨キッチンの移設について詳しく内容が知りたい方はこちらのコラムがおすすめです
▶︎ マンションのキッチン。移動はできる?できない?事例を交えてプロが解説します。」
この事例を詳しく見る
築24年のマンション。リビングの一角の和室の使い勝手が悪く、広々としたLDKにしたいと考えたことがリフォームのきっかけ。
構造:ラーメン構造
リノベ費用:785万円
リフォーム面積:78㎡
工期:2ヶ月
リビング併設の和室の使い勝手が悪く、悩みのひとつでした。
和室をリビングに取り込みLDKを拡張
図面

リビングダイニングのBefore→After

ラーメン構造のマンションは基本的には間仕切り壁を取り払うことができるため、リビングに隣り合う部屋を繋げて広々と!というリノベーションをしやすい特徴があります。
▽こちらの事例はルームツアー動画で詳しくご覧いただけます。
この事例を詳しく見る
57m2と限られた空間で、憧れの対面キッチンや収納量の確保を実現。リビングの位置が大きく変わり、生活がガラッと変わるリノベーションになりました。
構造:ラーメン構造
リノベ費用:1150万円
リフォーム面積:57㎡
工期:3ヶ月
築54年のマンション。キッチンの背面の壁がコンクリートで、対面キッチンは難しいかも、、と考えていたお客様でした。
構造に関係のないブロック壁を部分的に取り払い、対面キッチンを実現
57m2で3人暮らしを実現するための大胆な間取り変更
図面

2LDKの間取り構成は変えることなく、限られた空間でLDKを広く確保するために、リビング空間をバルコニー側へ配置を変え、対面キッチンも実現しました。
築古のマンションにおいて、間取り変更ができるかどうかの判断基準として、「壁を取ることができるか」が重要なポイントです。
取ることが出来ないと思っていた壁はブロックでできており、構造上関係のないブロックでした。
視界が晴れる理想の対面キッチンは、リノベの人気テーマのひとつです。
この事例を詳しく見る
Q1. 壁を壊す工事って、騒音や振動が大きいですか?
A. ある程度の音や振動は発生します。特にコンクリートブロック壁を壊す際はハンマーなどを使用するため、事前に管理組合への届け出と近隣への挨拶が必要です。
Q2. 壁を壊すと、耐震性は落ちませんか?
A. 構造壁を壊さなければ基本的に問題ありません。
ただし、リフォーム後の耐震バランスを確認するため、構造の専門家によるチェックをおすすめします。
Q3. 壁を壊しても、元に戻すことはできますか?
A. 可能です。ただし、元の構造や仕上げによって費用が変わるため、将来の計画を踏まえて設計することが大切です。
マンションの壁は、すべてが壊せるわけではありません。
でも「壊せない壁」があった時こそ、抜けない壁を考慮した間取り設計が生まれます。
物件購入前に相談をしておくことが理想ですが、万が一購入後に「抜けない壁」というハードルに当たったとしても、諦めないでください。
私たちのようなリノベーションのプロに相談すれば、
「ここは壊さずに」「ここは開けて広く」という最適な提案が可能です。
リフォームプライスはリフォーム専業で30年以上、9万件を超える施工実績を誇るリフォームブランドです。
些細なことでもリフォームのことなら、ぜひご相談ください。