COLUMN
コラム
2025.10.17
「ネジなんてどれも同じでしょ?」
そう思っていませんか?
実は、私たちの身の回りのあらゆる場所に「プラスネジ」と「マイナスネジ」が使い分けられています。
家具や家電、そしてリフォーム現場でも、この“ネジの違い”を理解しているかどうかで、作業のしやすさや仕上がりに差が出ることも。
今回は、知っているようで意外と知らない「ネジの種類」と「使い分けの理由」を、リフォームのプロの視点でわかりやすく解説します。
さらに、止水栓など水まわりに多い“マイナスネジ”の秘密にも迫ります!
目次 [非表示]
ネジには大きく分けて「プラスネジ」と「マイナスネジ」の2種類があります。
ドライバーで回す部分(溝)の形が違うことは、見ればすぐにわかりますよね。
プラスネジ(+):頭が十字になっており、一般的に最もよく使われるタイプ。
マイナスネジ(−):一本線の溝が入ったネジ。
では、なぜ2種類が存在するのでしょうか?
プラスネジは「トルク(回す力)」をかけやすく、ドライバーがずれにくいため、電動工具との相性も抜群。作業効率が良いことから、現在はプラスネジが主流です。
一方、マイナスネジは構造がシンプル。屋外や電気機器、水まわりの設備などに今も多く使われています。
では、電動工具が使えない効率の悪いマイナスネジがなぜ残っているのか
――その理由を見ていきましょう。
マイナスネジが現役で使われているのには、ちゃんとした理由があります。
ポイントは、「壊れにくく、環境に強い」という特徴です。
まず、マイナスネジは構造が単純なため、サビや汚れが溝に溜まりにくいのがメリット。
湿気が多い場所や屋外、手が濡れたまま触るような場所でも扱いやすいんです。
さらに、マイナスネジは力をかけすぎにくいため、樹脂や金属の部品を押しつぶしてしまうリスクが少ないという利点もあります。
そのため、電気製品や精密機器、水まわり設備など、“繊細なパーツ”が多い場所に使われ続けているのです。
一度画面から目を離して、腕時計を見てみましょう。
文字盤の裏やバンドに小さなマイナスネジが使われているかもしれません。
リフォームの現場では、溝が埋まってしまう可能性のある屋外や水廻りの止水栓などでマイナスネジが使われます。
さて、ここでリフォーム業界ならではの「あるある」ポイントをご紹介します。
それは――止水栓のネジはマイナス形状になっていること。
止水栓とは、キッチンや洗面台、トイレなどの水を止めるための小さなバルブ。
見た目は地味ですが、家の水を一時的に止めるためのとても大切なパーツです。
なぜ止水栓にマイナスネジが多いのかというと、以下のような理由があります。
プラスネジの十字の溝には水が溜まりやすく、そこからサビや汚れが発生することがあります。
マイナスネジは溝がシンプルなので、水が抜けやすくサビにくいという利点があります。
止水栓は長く使う部品なので、構造が単純で壊れにくいマイナスネジが重宝されます。
特に水廻りでは、今もマイナスネジがよく使われています。
「ネジを回そうとしたら、ねじ穴が潰れてしまって回らなくなった!」という経験、ありませんか?
水漏れの際に、そんなことが起こったら水が止まらずに大惨事に。。。
そうならないためのマイナスネジの止水栓なんです。
ネジを回すときに、溝に合わないドライバーを使ってしまうと「なめる(溝をつぶす)」原因になります。
ドライバー選びのポイント
ネジの幅とドライバーの先端幅をしっかり合わせる
少し大きめのドライバーで“面”で力をかける
力任せに回さず、ゆっくり押しながら回す
もし「なめてしまった!」という場合は、輪ゴムをネジとドライバーの間に挟むと摩擦が増して回しやすくなります。
それでもダメなら、ネジ外し専用の工具(ネジザウルスなど)を使うのがおすすめです。

ネジザウルスは一家にひとつあると安心ですよ♪
大前提、そもそもネジを舐めないように気をつけましょうね!
普段は気にも留めない小さなネジ。
けれど、その形にはしっかりとした“理由”と“使い分け”があるんです。
作業効率を重視するならプラスネジ
湿気や誤操作を防ぎたいならマイナスネジ
止水栓のような場所では、今もマイナスネジが大活躍しています。
ちょっとした知識を知っているだけで、リフォームや日常のメンテナンスがぐっと安心・便利になりますよ。
もし「自宅の止水栓が錆びていて、動かない」「水漏れ時に止められるか不安」という方は、水廻りの交換時に合わせて交換することをおすすめします。
ネジ1本の違いが、快適な暮らしを支えている――
そんな視点でお家を眺めてみると、ちょっと楽しくなりますよ。
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