COLUMN
コラム
2025.10.03
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最近よく耳にする「内窓リフォーム」。
光熱費の高騰や断熱性能への関心の高まりから、二重窓の設置を検討される方が増えています。
特に冬の寒さや夏の暑さ、結露や外からの騒音に悩んでいる方にとって、内窓は解決策のひとつ。
しかも、工事は意外と手軽にできるのをご存じでしょうか?
今回は 「内窓(二重窓)の基本知識」 と 「実際の工事の流れ」 をわかりやすく解説。さらに、実際の施工写真付きで
和室にぴったり!障子デザインの内窓
の2つの工事の流れを紹介します。
これから内窓工事を検討される方は、ぜひ参考にしてみてください。
このコラムをご覧になっている方は、すでに内窓についてはご存知の方も多いかもしれません。
今一度おさらいすると、内窓とは、既存の窓の内側にもう一枚サッシとガラスを取り付けるリフォームのこと。
画像引用元:LIXIL HP
内窓は別名「二重窓」とも呼ばれています。
断熱効果:窓際の冷気をカットし、冬はあたたかく、夏は涼しい空間に。
結露対策:窓ガラスが冷えにくくなるため、結露の発生を抑えられる。
防音効果:外からの車の音や人の話し声を軽減。静かな環境を実現。
防犯性向上:二重ロックのような形になるため、侵入対策にも効果的。
最近はデザイン性も高まり、和室・洋室問わずインテリアになじむ内窓が選べるようになりました。
「窓工事」と聞くと大掛かりなイメージを持つ方も多いですが、実は数時間程度で完了することがほとんどです。
内窓は今ある窓にプラスするため、壊す作業がないので工事時間もぐっと縮まります。
Before
現地調査(採寸)
既存の窓枠の寸法を正確に測り、内窓をオーダー。ここが最も重要な工程で、1ミリの誤差もないよう丁寧にチェックします。
既存窓の確認と枠材の取り付け
窓の状態を確認し、内窓を設置するための「樹脂製の専用枠」を取り付けます。
まずは縦の枠から取り付けます。既存の窓と窓枠の色に合わせてカラーを選ぶのがおすすめです。

縦枠が付いたら、次は下枠と上枠を取り付けます

内窓の設置
採寸に合わせて製作されたサッシとガラスを取り付けます。襖と同じ要領で、上からはめて、レールに載せます

建付け調整・仕上げ
開閉がスムーズか、ガタつきや隙間がないかを確認します。
完了確認
実際にお客様に開閉していただき、工事は完了。
※施工自体は1窓あたり30分〜1時間程度で済むことが多いですが、窓の数によっては数時間かかるケースもあります。
「和室の雰囲気は壊したくないけれど、冬の寒さと結露に困っている」という場合におすすめなのが、障子の桟デザインを施した内窓。
見た目は伝統的な障子そのままですが、実は樹脂サッシと複層ガラスを組み合わせた高性能な窓です。
Before
現地調査(採寸)
通常の内窓と同じように、まずは採寸から。
枠材の取り付け
窓の状態を確認し、内窓を設置するための「樹脂製の専用枠」を取り付けます。
※和室の障子枠に取り付ける場合は溝を埋める作業が発生します。
敷居すべり(障子の滑りを良くするためのシート状のテープ)が付いている場合は綺麗に取り除いてからの作業になります。

溝を埋めたら、後の流れは通常の内窓と同じです。

縦枠と下枠、上枠を取り付けて

障子のデザインをした内窓を吊り込んで調整をしていきます。
After
まるで本物の障子のような見た目ですよね。和室の雰囲気は損なわずに、性能を格段に上げることができました。
2枚のガラスの中に組子が入っているので、障子が破れる心配も、組子が壊れる心配もございません。
内窓リフォームを成功させるためのポイントをまとめました。
窓の種類と場所で選ぶ
和室には障子風、洋室やリビングにはシンプルタイプなど、部屋の雰囲気に合わせたデザインを。
ガラスの種類に注目
単板ガラスよりも断熱性の高い「Low-E複層ガラス」がおすすめ。
補助金制度を活用
断熱性能向上リフォームは、国や自治体の補助金制度の対象になることもあります。
「実際にいくらくらいかかるの?」というのは、多くの方が気になるポイント。
内窓リフォームは窓の大きさやガラスの種類によって価格が変わります。一般的な相場は以下のとおりです。
| 窓の種類 | サイズの目安 | 費用相場(税込・工事費込) | 工事時間の目安 |
|---|---|---|---|
| 小窓(トイレ・浴室など) | 幅60cm × 高さ40cm | 約5万円〜 | 30分程度 |
| 腰窓(一般的な窓) | 幅120cm × 高さ90cm | 約8万円〜 | 1時間程度 |
| 掃き出し窓(リビングなど) | 幅170cm × 高さ180cm | 約12万円〜 | 1〜2時間程度 |
※シンプルな複層ガラスでの目安となります。金属膜入りのLow-Eガラスは2割増しくらいが目安となります
実は、内窓リフォームは国や自治体の「断熱改修補助金」の対象になることが多いリフォームです。
先進的窓リノベ事業(国の補助金)
高性能の内窓を設置すると、1カ所あたり数千円〜数万円の補助を受けられる制度。年間を通じて募集があり、予算がなくなり次第終了となります。
自治体の省エネリフォーム補助金
地域ごとに設定されているケースがあり、国の補助と併用できる場合もあります。(例:クールネット東京)
対象となるガラスやサッシの性能基準があるため、必ず事前に確認が必要。
工事完了後では申請できないものもあるため、 見積もり段階で申請を進める のが安心。
実際に補助金を利用したケースでは、工事費の 1/3〜1/2程度が補助 されることもあり、非常にお得にリフォームできます。
内窓(二重窓)のリフォームは、工事がシンプルで費用対効果が高いのが魅力。
和室なら障子デザイン、洋室やリビングならシンプルな掃き出し窓タイプなど、住まいに合わせて選ぶことができます。
「冬の寒さをなんとかしたい」「結露に悩んでいる」「省エネ効果を実感したい」――そんな方にはぴったりのリフォームです。
ぜひご自宅の窓にあわせた内窓リフォームを検討してみてください。
今回ご紹介した事例以外にも、さまざまなスタイルやアイデアを取り入れたリフォーム事例が見れる「施工事例集」を無料で閲覧いただけます。リフォームを考えている方はぜひ参考にしてみてください。