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2020.07.22

高気密・高断熱の住宅は、アレルギーや喘息の発生リスクも低減

高気密・高断熱の住宅は、アレルギーや喘息の発生リスクも低減

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アレルギーや喘息の発生予防は、現在の省エネ基準レベルの住宅では不十分

住まいの気密・断熱性能を高めると、ヒートショックリスクを低減できるだけでなく、アレルギーや喘息等の症状や発生リスクが緩和されることがわかっています。下図は、近畿大学建築学部長の岩前篤教授が、新築住宅に引っ越した2万人以上の方々を対象に、転居後の住宅の断熱グレードと住まいの健康影響に関してアンケート調査した結果です。断熱グレード3は平成4年基準レベル、断熱グレード4は現在の省エネ基準レベル(次世代省エネ基準および断熱等性能等級4)、断熱グレード5は横浜等の温暖地で北海道レベルの断熱グレードの家に引っ越した方々です。

前の住まいで症状が出ていて、新しい住まいに転居したあとに症状が出なくなった人の比率を改善率としています。断熱グレードが高くなるのに応じて、アレルギーや喘息等の症状が以前の住まい時代よりも改善率が高くなっています。高断熱住宅の方が、アトピー性皮膚炎や目や肌のかゆみ、アレルギー性鼻炎、アレルギー性鼻炎、気管支喘息等の症状が緩和されている傾向が明らかになっているのです。このデータを見る限り、住まいの環境によるアレルギーや喘息に対するリスクという観点では、現在の省エネ基準の住まいでは性能的に不十分で、より高い性能の家が望ましいことが言えます。

なお、この調査における断熱グレード4の断熱性能は現在の省エネ基準レベル(平成28年基準)にあたります。平成11年基準(次世代省エネ基準)から平成28年基準では、住宅の断熱性能の要求レベルはあまり変わっていません。このレベルの性能の住宅・不動産広告等において、「次世代省エネ基準を達成した高断熱住宅」とか「最高等級の断熱等性能等級4の高断熱住宅」といった表現を目にすることがあると思います。高断熱住宅の定義が明確になっていないため、これらの表現は、必ずしも間違いとは言えませんが、20年も前の要求水準ですから、さほど高い性能ではありません。むしろ欧米等の国際的な基準に照らすと著しく低い性能と言ってもいいレベルであることは理解しておきたいところです。

「結露」は、喘息・アレルギーの原因となる「カビ」、「ダニ」を発生させます。

ではなぜ、高気密・高断熱の住宅では、アレルギーや喘息等の発生リスクが低減され、健康な住環境になるのでしょうか? これには、「結露」、「カビ」、「ダニ」が大きく関係しています。後で説明しますが、低気密や低断熱の家ではどうしても結露が生じます。

結露が生じるとどうしてもそこにカビが発生します。そしてカビはダニの餌になるため、ダニも増加します。カビもダニもアレルゲンになるため、アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎、喘息等を引き起こすのです。もちろんこれらの症状は、カビやダニ以外のアレルゲンによることもあるので一概には言えませんが、高気密・高断熱住宅に転居した後、これらの症状が出なくなったという話は実際によく聞きます。
逆に東日本大震災の仮設住宅において、断熱性能が低かったために、結露が発生し、カビが大量に発生したことで、多くの被災者の方々が喘息等を発症したことは、かなり新聞等でも報道されたのでご存知の方も多いかと思います。

ヒートショックについては、ご存知の方がだいぶ増えてきているようですが、断熱・気密性能とアレルギー・喘息との関係性については、まだあまり知られていないようです。住まいづくりを考える際のとても重要なポイントの一つですので、頭に置いた上で、住まい選びを進めましょう。

「結露」が生じる仕組みについて知りましょう。

空気中に含むことのできる水蒸気量は、空気の温度が高いほど多くなります。ある温度で最大限含むことのできる水蒸気の量を「飽和水蒸気量」といいますが、温度が高いほど、「飽和水蒸気量」は多くなります。また、そのときの気温における飽和蒸気量に対する空気中の水蒸気量の割合を「相対湿度」と呼びます。

冬に暖房している室内の暖かい空気は、「飽和水蒸気量」が多いため、空気中にたっぷり水蒸気を含むことができます。低気密・低断熱の家の場合、冬の室内側の壁や窓の温度が外気の影響を受けて下がるため、壁や窓の近くの空気が冷やされるため「飽和水蒸気量」も下がります。そのため、「飽和水蒸気量」を超えた水分が水蒸気の形で存在することができず、水にかわります。これが結露発生の仕組みです。
住宅の結露は、実は冬だけではなく、夏にも生じる可能性があります。夏は、冬に比べて室内と室外の温度差が小さいので、冬の結露に比べると結露の量は小さく、夏の結露をどの程度問題にするのかについては、専門家の間でも意見が分かれるところです。ただし、近年の猛暑の影響で夏季の室内外の温度差が大きくなっているので、以前に比べて、夏型結露のリスクは大きくなっています。

夏の結露が厄介なのは、目に見えないところに生じるということです。冬の結露の多くは、室内のサッシ周り等の目に見えるところで生じます。それに対して夏の結露は、外気の暑い湿った空気が室内の冷房された壁面に触れて生じるため、壁の中の見えないところで生じるということです。そのため、夏の結露については、なかなか気づきにくいのです。

これからの住まいづくりにおいては、夏型結露対策も重要であることは間違いありません。

「結露」には、「表面結露」と「壁内結露(内部結露)」があります。

夏の結露は、壁の中の見えないところで生じることを説明しましたが、これを「内部結露」とか「壁内結露」と呼びます。それに対して、サッシや壁の表面に生じる結露を「表面結露」といいます。
冬も、気密等の対策をきちんと取っていない住宅の場合は、「表面結露」だけでなく、「内部結露」も生じます。

「内部結露」は、壁内の見えないところで発生し、じわじわと断熱材の性能を低下させたり、柱や土台を腐らせたりと、家の性能を低下させていきます。さらには湿潤な環境を好む白アリの発生にもつながります。このように内部結露は、家の寿命を短くしたり、耐震性能の低下にもつながるので注意が必要です。内部結露リスクという観点からは、高断熱で低気密もしくは中気密の住宅は危険です。高断熱と高気密はセットにして考えるべきです。

住宅内の湿度コントロールや結露対策については、工務店やハウスメーカーによって、考え方やノウハウのレベル差が非常に大きい領域です。各社に湿度コントロールや結露対策についての考え方を聞いてみると、工務店やハウスメーカー選びの決め手の一つになる情報が得られると思います。住宅会社選びの際には、ぜひ各社に質問してみてください。

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