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コラム
2025.01.31
キッチン目次 [非表示]
マンションのリフォームを検討する際に、「キッチンの場所を移動できるのか?」という疑問を持つ方は多いでしょう。特に、間取りを大きく変更したい場合や、対面式キッチンにしたいと考えている場合、キッチンの移動が可能かどうかが大きなポイントになります。
結論からお伝えすると、移動できるケースはたくさんあります!
ただし、中にはどうしても移設が難しいケースも。
本記事では、マンションにおけるキッチンの移動が可能かどうかを判断するためのポイントや、移動する際の注意点について詳しく解説します。
マンションでは、キッチンの移動が戸建てと比べて制約を受けることが多いです。主な制限要因として、以下の点が挙げられます。
移動できるかの判断には、排水管の位置がどこにあるかが重要になります。
マンションの排水は、床スラブ(構造躯体コンクリート)の上を通って共有の排水管につなげる「床スラブ上配管」が一般的ですが、築年数の古いマンションではまれに「床スラブ貫通配管」のケースも。この場合、水回りの移動はほとんどできません。下階の天井裏を一部解体しないと配管を交換できないなどメンテナンス面でも問題がありますので、不動産会社や管理会社に必ず確認しておきましょう。なお、トイレについては、配管方式等に関係なく位置の変更はほとんどできません。
引用元:REPCO
床スラブ上配管のマンションであればキッチンの移動が比較的しやすいと言えます。
キッチンの排水管は、床下を通って排水経路につながっています。マンションでは、排水勾配を確保するために移動距離が限られることがあります。
PS(パイプスペース)と呼ばれる配管スペースが図面上に書いてあれば、そこにキッチンの排水が流れるように作られている可能性が高いです。戸建ての場合は床下を自由に広く使えたり、排水管への合流経路を変更することが可能ですが、マンションはそうはいきません。
銀色の防火材に包まれているのが排水管(写真はトイレの排水管)。排水管はまっすぐ1本でマンションを通っています。
給水・給湯の配管やガス管の位置も、キッチンの移動を制約する要因です。これらの配管を延長・移動させる場合、管理規約によって制限があることがあります。
レンジフード(換気扇)のダクトは、建物の外部へ排気するために必ず設けなければいけません。レンジフードの換気はトイレや洗面に比べて15cmの直径という太いダクトをつなげる必要があります。
キッチンを移動するということは、排気経路を変えること。排気の出口はリノベーションで変えられないので、移動先のキッチンからどうやって既存の排気口まで持っていくか。という工夫が必要になります。
築年数が経過している団地ということもあり、水廻りの配管スペースの制約上簡単にはキッチンを移設することが難しい造りでした。元々は壁付のキッチン。閉鎖感があり、憧れの対面キッチンにはどうやったらできるかと、リフォームの計画を進めました。
玄関の隣にあったパイプスペースに排水が流れていたキッチン。憧れの対面キッチンを実現するべく、リビング側へ大移動。
配管経路は新しく作ったパントリーの中を通して排水の勾配をつけています。
美しい対面キッチンへと生まれ変わりました。
キッチンの奥にあるパントリースペースを見てみると、、
パントリーの中だけ床を上げることで、メインの生活動線に段差ができないように配慮しつつ、排水の経路もしっかり確保できるように工夫をしました。
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元々対面キッチンの形ではありましたが、壁が多く、吊り戸棚もあったので、開放感を感じられませんでした。
ビフォーアフターはこのような形で、アイランド型のキッチンにすることができました。
キッチンは対面化にあたり配管移動の関係で床高が上がると他社様からは言われていたそうですが、キッチンの移動範囲を最小限にすることで、フラットな床でつながるキッチンを実現することができました。
キッチンの向きを90度変えることで、配管類の移動を最小限にとどめています。リノベーションのテクニックです。
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元々壁付のL字型のキッチンでした。
美しく生まれ変わったキッチン。移動に伴って配管経路はどう変わったでしょうか。
トイレの後ろにあるPS(パイプスペース)は汚水の排水管。キッチンの排水は洗面室の生活雑排水配管と合流するような造りのマンションでした。
壁の中を緩やかに勾配をつけながら曲げて、洗面室側の排水へ合流させています。経路が長くなる分、しっかり流れるように勾配をつけています。
キッチン向かって左の壁が分厚いのは、キッチンの配管とレンジフードのダクトが通る経路を確保するため。
ギリギリの寸法で設計した、工夫が詰まった事例です。YouTubeで詳しくルームツアーをしているのでぜひご覧ください。
マンションのキッチン移動は、排水や換気の制約、管理規約のルールなどによって制限される場合があります。ただし、床下スペースやパイプスペースの状況によっては移動が可能なことも多く、ぜひあきらめずにご相談ください。
移動ができるかは自己判断するには難易度が高く、専門知識のあるリフォーム業者と相談しながら、移動が可能かどうかを検討することが大切です。無理に移動せずとも、間取りの工夫によって快適なキッチン空間を作る方法もありますので、自分の理想の暮らしに合ったリフォーム計画を立てましょう。
現在、当社ではキッチンの移設を伴うリフォームの事例を多数ご紹介しております。これからキッチンのリフォームを検討される方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。お客様のご要望に合わせた最適なプランをご提案いたします。
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