COLUMN
コラム
2025.09.18
浴室
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「お風呂のカビがなかなか取れない…」
「毎日掃除しているのに、気づいたら天井やゴムパッキンが黒くなっている…」
そんなお悩みを抱えているマンションのご家庭、多いのではないでしょうか。
実はその原因、換気扇の使い方にあるかもしれません。
今回は、リフォームのプロの視点から「浴室のカビと換気扇の関係」「常時換気がなぜ重要なのか」をわかりやすく解説します。
戸建てに比べて、マンションの浴室は「カビが出やすい」と言われます。
その理由は大きく3つ。
多くのマンションの浴室は窓がなく、空気の逃げ場がないため湿気がこもりやすい構造になっています。

マンションは気密性が高く外気の流入が少ないため、浴室内の湿気が長時間こもります。
入浴後に短時間だけ換気しても、浴室全体の湿気は取り切れず、カビの温床になってしまいます。
つまり、「マンション浴室=カビが生えやすい環境」と言えるのです。
カビは 湿度70%以上・温度20〜30℃・栄養分(水垢や石鹸カスなど) が揃うと一気に繁殖します。
入浴後の浴室はまさにカビにとって理想的な環境。
天井やコーキング(ゴム部分)に黒カビが出てしまうのは、掃除の仕方だけでなく 湿気を放置している時間が長い ことが最大の原因です。
つまり「湿気をいかに早く追い出すか」が、カビ対策のカギ。
そこで重要になるのが 換気扇の常時運転 なのです。
24時間換気扇を回しておくことで、浴室の湿気がこもるのを防げます。
特に梅雨や冬場は乾きにくいので、常時運転が効果的です。
湿度が下がれば、カビの発生率はグッと低下します。
「掃除してもすぐカビる」というストレスから解放されるのは大きなメリット。
浴室換気扇は、実は浴室だけでなく 洗面室や脱衣室の空気の流れ にも影響します。
常時運転することで、マンション全体の空気循環を助ける効果もあるんです。
「常に換気扇を回すなんて電気代が心配…」と思う方も多いですが、実は心配無用。
最新の浴室換気扇は消費電力が非常に少なく、1日24時間回しっぱなしでも 月数百円程度。
それでカビ掃除や健康リスクを防げるなら、コスパは抜群です。
浴室換気乾燥暖房機の操作リモコン。「24時間換気」というスイッチが常時換気モードを意味します。
せっかく換気扇を回しても、間違った使い方をすると効果は半減してしまいます。
「体が冷えるから」と入浴中に止める方もいますが、浴室内に湿気がこもってしまいます。
浴室暖房を活用しつつ、換気は止めないのがベスト。
換気しなくちゃ!とドアを開けっぱなしにするのはNGです。特にマンションの場合は、浴室内の湿気が洗面室や廊下に逃げてしまい、他の部屋まで湿度が上がってしまう可能性があります。ユニットバスであれば、扉の下や上部に空気が通る造りをしているため、扉は閉めたまま換気扇を回してください。
「お風呂上がりに30分回せば十分」と思いがちですが、湿気は完全に取れません。
数時間〜常時運転が推奨されます。常時運転に対応しているモデルかどうかは、品番をみて確認してみることをおすすめします。
換気扇自体が古くなっている場合、常時運転しても効果が出にくいことがあります。
異音や振動が大きい
吸い込みが弱い(目安として、ティッシュが吸い付かない状態)
10年以上使っている
こうした症状がある場合や、常時換気に非対応の場合は、換気扇の交換リフォームを検討するタイミングです。
吸い込みが弱い場合は、フィルターが汚れていることが原因の場合も。年に数回はフィルターを掃除しましょう。
最近の換気扇は「浴室乾燥暖房機」や「衣類乾燥機能」がついたものもあり、暮らしをより快適にしてくれます。
換気扇の常時運転に加えて、次の工夫を取り入れるとさらに効果的です。
入浴後に浴室全体を冷水で流す → 温度を下げ、石鹸カスを減らす
壁や床の水滴を取る → 乾燥が早まりカビ予防に
マグネット商品を使い、ボトルなどを浮かす→ 床や棚に直接置かないことで、カビ発生ポイントを減らす
最近はマグネット商品が優秀です。ミラーや椅子、桶などもマグネットでつけてしまえばカビ対策になります。
「掃除より予防」の考え方で、手間をぐっと減らせます。
マンション浴室のカビ対策には、常時換気扇を回すことがもっとも有効です。
湿気をためず、カビを防げる
電気代は安く、コスパが高い
換気扇の性能が古ければリフォームで解決できる
「お風呂のカビに悩まされている」という方は、換気扇の使い方をまず見直してみましょう。
そして、「換気扇が古いかも」「浴室乾燥機を導入したい」という場合は、ぜひリフォーム会社にご相談ください。
毎日のお風呂がもっと快適で、掃除の手間も減る暮らし。
その第一歩は、今日からの“常時換気”です。