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TRUE STORY

実話から生まれたホームテックのポリシー

お客様との楽しいひととき

お客様との楽しいひととき

 あれは、入社してから6年目のことだった。ご夫婦と奥様の妹さん、そして4人のお子様の7人で住んでいるマンションのリフォームについて、ご相談をいただいた。ご要望の中心はキッチンであった。現状のキッチンの使い勝手を向上させ、子どもを見ながら料理ができる環境を実現するために、リフォームを検討されているということであった。
 現状のキッチンでは、子どもと一緒に料理をすることが難しく、たとえできたとしてもスペースに限りがある。そこでわたしは、奥行きを広く取ることができるハイグレードモデルのキッチンを勧めることにした。予算の問題もあったのだが、このモデルであれば天板も広く、デザインも使い勝手も申し分ない。椅子を並べて食事ができるほどの大きさだ。

 そのような大胆な提案ができたのも、度重なる打ち合わせのおかげである。プランナーと一緒に行った毎回の打ち合わせは、つねに和気あいあいとした雰囲気に包まれており、細かいご要望を把握することにも大きく貢献した。まるで友人や知人と話すかのように笑いにあふれたやり取りは、わたし自身、とても楽しい思い出として今も記憶に残っている。
 その成果は、実物をショールームで見ていただいたときの「これだ!」という反応にも表れていたように思う。また工事が完了し、お祝いも兼ねてお花をプレゼントしたときの、お客様の笑顔からも感じることができた。キッチン周りの間接照明やダウンライト、収納など提案させていただいたことにより、全体のプランニングまでご満足いただけた。

 さらに、わたしの胸を強く打ったのが、「楽しかった打ち合わせがなくなるのは寂しいですね」というご夫婦の言葉であった。その言葉をいただいたとき、わたしもまた、同じような想いを抱いていたことに気付かされた。お客様のご要望に真摯に耳を傾け、お客様のために尽くそうと努力すればこそ、このように心が通じ合うこともあるのだと思う。
 現地調査に行ったとき、4人のお子様とその友人・知人が集まってパーティーが行われていたのを思い出す。そこではみんなが笑顔になり、各々、楽しいひとときを過ごしていた。わたしが携わったリフォームによって、もともとある住まいが、より人の集まる素敵な空間になったことを想像すると、わたしは心から嬉しく思う。まさに、お客様の理想を実現できた瞬間である。
 これまで数々のリフォーム案件に携わってきて、工事が完了した後、一様に喜んでいただけるお客様の姿を見て湧き上がってくるのは、やはり感謝の気持ちである。
 引き渡しのときにお花をプレゼントすることで、その感慨はひとしおになる。プランナーや施工業者とも協力しながら一生懸命取り組んできたリフォームの苦労が、そのときすべて報われる。

 もちろん、競合他社とも切磋琢磨しながらの仕事なので、ときには、条件の面で難航することもある。それでも、「今野さんは話しやすいので助かります」「とても相談しやすく信頼しています」などのお言葉をいただき、任せていただけるとき、わたしはこの仕事のやりがいを強く感じることができる。それもすべて、お客様のおかげである。
 そのようなお客様に資するためにも、いただいた悩みやご要望はもちろん、その一挙手一投足を見逃さず、日々の提案へと活かしていきたい。そして何より、お客様に会話を楽しんでいただきつつ、プラスアルファの提案もしながら、豊かな時間を演出したい。それも含めて、わたしの重要な仕事であると思っている。

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