2世帯住宅のメリット・デメリット
コミュニケーション vs プライバシー
共有スペースの費用分担によるコスト面や防犯安全面によるメリットもさることながら、わざわざ時間を作らずとも気軽にとれるコミュニケーションは2世帯住宅最大のメリットです。
一方、生活時間帯(ライフスタイル)のズレも気になるところです。
実際に2世帯住宅にお住まいの「先輩方」に聞いてみましょう。
先輩が語る子世帯・親世帯それぞれのメリットとは?
子世帯 | 親世帯 |
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・低コストで安定した住まいの確保。 | ・子どもが独立し、夫婦2人では住まいの管理が大変。 |
・両親の老後の心配。 | ・年齢的にローンを組むことが難しい。 |
・両親に子どもを預かってもらい、共働きができる。 | ・老人世帯を狙った犯罪などへの不安。 |
・子どもの躾(しつけ)や教育に世代の違う両親との生活が役に立つ。 | ・病気や介護への不安。 |
・共有して使うスペースの費用や生活費などは お互いに負担すると経済的に負担が減る。 |
・共有して使うスペースの費用や生活費などは お互いに負担すると経済的に負担が減る。 |
・心と時間にゆとりが生まれ、そのゆとりを趣味や 外出などにあてることができ、行動範囲も広がる。 |
・心と時間にゆとりが生まれ、そのゆとりを趣味や 外出などにあてることができ、行動範囲も広がる。 |
・犬や猫などのペットを飼っている場合でも、 交代で長期の旅行に出かけることができるようになる。 |
・犬や猫などのペットを飼っている場合でも、交代で長期の旅行に出かけることができるようになる。 |
・防犯の面でも安心して外出ができる。 | ・防犯の面でも安心して外出ができる。 |
・孫たちは、祖父母から昔の話を活きた知識を吸収できる。 | ・若い人々と交流することで、現代の最新情報にふれることができる。 |
・生活の知恵をすぐ聞ける、 相談できる人がそばにいるという安心感。 |
時間を作らないとなかなかコミュニケーションが取りにくい非同居に比べ、同じ空間で生活している同居タイプは、ライフスタイルの違いで時間が合わなくてもいつでもコミュニケーションを取れる状況にあります。特に3世代同居になる場合は、子(孫)にとっては成長段階においてとても大きな経験になります。
若い世代と親の世代ではどうしても『生活スタイル』にズレが生じます。同居前に理解していたつもりでも実際に同居を始めると『プライバシー』が気になります。『こんなはずじゃなかった』とならないように、しっかりと対策をしておきましょう。
先輩が語る2世帯リフォームの息子さん同居、娘さん同居のケース
息子さん世帯との同居の場合 | 娘さん世帯との同居の場合 | |
家事協力 |
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女性が主体となる家事協力では、比較的協力し行っています。また家事を頼む傾向が強いのも、実の親子である娘さん同居に強く見られます。実の母娘という気がねの無さからでしょうか。食事を一緒にする傾向は、娘さん夫婦同居の方に強くなっています。昼間の2人の主婦のくつろぎスペースなどを配置するときに、日中の交流の違いを配慮することが大切です。 |
ご主人の気遣い | 今まで別々に暮らしていた家族または個人が一緒に住む上での世代間の価値観の違い、ライフスタイルの違いから、奥様と実の母親との間に立ち、調整役として求められます。 |
働きざかりのご主人が夜遅く帰宅する場合、親世帯へ気兼ねして、そっと鍵を開けて入るなど、肩身の狭い思いをすることが多いようです。また休日やお客様をもてなすときなども、独立したスペースがないと、ご主人は何かと気づまりな思いをしがちです。 |
奥様の気遣い | 女性が新たに家族に加わる息子夫婦同居。両世帯の2人の主婦は、1日のうちの長い時間を同じ屋根の下で過ごすため、日常的レベルで文化の違いが生じ、いわゆる嫁姑の問題に発展するケースが少なくありません。そこで快適な息子夫婦同居を実現するための間取りプランのポイントは「オモテ融合・家事分離」となります。つまり、対外的には同じ名字を継ぐ1つの家としてのまとまりを尊重しながら、女性が主導権を握る家事面での独立を重視します。 |
男性が家族に仲間入りする娘さん夫婦同居。家庭の中心となる主婦同士が、一緒に暮らしてきた母娘ですから、おおむね問題は少ないようです。家事や育児なども意見交換が十分行われますが、遠慮がないため親の干渉や娘の甘えが過ぎるデメリットもあります。また男性が担当する行事や地域社会との交流の面では、親世帯主導型になりやすく、子世帯ご主人が加わりにくい側面があります。 |